論文募集

全体セッションと,討論中心のテーマ別セッションを設けます. 下記討論テーマの中から参加希望テーマ(1つのみ)をご検討ください.

討論テーマ

T1: ソフトウェア工学における可視化の実践に向けて

ソフトウェア工学において可視化(Visualization)は,ソフトウェアや開発組織に関する様々な情報,たとえばプログラムの構造や振る舞い,動的情報,開発履歴,開発プロセス,業務プロセス,開発者のネットワークなどを分析する際の理解の促進や対話的な知識の精錬に活用される.しかし,可視化の効果についての定量的評価の報告例はこれまで少なく,研究者が可視化をデザインする上での指針が不足していた.そのため,本セッションでは,以下の2点に焦点を当てて,有用な可視化手法を構築し実践の場に届けるための方法に関する議論や意見交換を行いたい.

(1) 分析結果の可視化による反応・教訓:
学生や同僚,上司への説明,学会等のデモ,被験者実験,開発現場での適用など,可視化手法の案や結果を作者以外の人が見たときの反応や,そのとき得られた知見や教訓.
(2) 実務者から可視化手法に求めるニーズや望ましい性質の提案:
誰に対して,どのような情報を示したいか.また,そのときに望ましい表現形態や,そのほかに必要な性質は何か.

可視化の取り組みを行っている,あるいは可視化にこれから取り組む予定の研究者と,実践の場に適用する立場の企業実務者が意見を交換する産学コミュニティ構築の場としたい.


討論リーダ:小林 健一 (富士通研究所),石尾 隆 (大阪大学)

T2: リポジトリマイニングの実践

近年,情報科学分野ではビッグデータを対象とした研究が数多く取り組まれている.ソフトウェア工学分野においてもソースコード,バグ票などの膨大な開発履歴を管理するリポジトリを対象としたマイニング技術の研究が MSR(Mining Software Repository)Conference を中心に盛んに行われている.
本セッションでは,リポジトリデータ,マイニング技術について幅広く議論を行いたい. また,直近に控えるMSR ConferenceやFSE(MSR関連分野)への投稿予定の論文や実験結果,データセット等を持参いただき,採択される論文を作成するための議論の場としても活用していただきたい.


討論リーダー:伊原彰紀(奈良先端大)

T3: 形式手法 -産学連携で普及拡大を目指す-

現在のソフトウェアは大規模化かつ複雑化が進んでおり,開発コストの削減ならびに高信頼性の実現のため,形式手法の適用への要求が高まっている.しかしながら,国内において,産業界と学界との連携は十分になされているとはいえない.本セッションでは,産学の連携による形式手法の普及拡大について議論することを目的とする.
産業界からは,現場での適用事例や蓄積したノウハウ,企業内での運用方法,取り組み等の「具体的な活動」を報告して頂きたい.学界からは,最新の理論や技術,研究成果,それらの実現可能性等を報告して頂きたい.研究の途中経過報告,学生への教育実践報告なども歓迎する.産学で共通的な話題としては,形式手法の現状,今後の展望,将来のあるべき姿について問題提起,報告をいただきたい.
本セッションでは,ソフトウェア検証,プログラム解析技術,ハードウェア検証,形式仕様記法,SAT/SMTの応用,テスト自動生成,セキュリティ,規格(IEC/ISO etc),ツール開発など幅広い話題に関する報告・提案を歓迎する. 企業と大学との共同研究プロジェクトの企画も考えていきたい.


討論リーダー:横川智教(岡山県立大学),早水公二(産業技術総合研究所/フォーマルテック)

T4: パターンとモデリングおよびアジャイル開発

建築の分野で始まったパターンおよびパターンランゲージの概念は,その効果的な抽象化の仕組みに基づき,オブジェクト指向やアーキテクチャ設計,アジャイル開発におけるノウハウの収集と記述の基盤となっている.さらに今日では,ビジネスや組織におけるモデリング技術としても注目されるなど,さらなる発展が期待されている.
本セッションでは,ソフトウェアパターン技術を核として,周辺のアジャイル開発や設計・モデリングを含めた幅広い領域でポジションペーパを募り議論して理解を深めたうえで, テーマを絞りその場で論文を分担執筆する.
前回WWS2013では,共同でパターンのメタモデリングおよび論文執筆を行い,成果は論文誌や国際会議に採択された.今回も「ワークショップ」の実施により質の高い成果を生み出すことを目標とする.


討論リーダ:鷲崎弘宜(早大),鹿糠秀行(日立製作所)

T5: ソフトウェア工学の研究評価と共通問題

ソフトウェア工学の研究評価は難しいといわれている.過去のワークショップにおいて,こうした研究評価との関連において共通問題の重要性が議論され,いくつかの分野での共通問題の要件について検討し,情報処理学会誌の2013年9月号に特集として掲載した.
こうした経緯を踏まえ,本セッションでは,共通問題の活用方法などをさらに議論するとともに,研究評価の問題を再議論したい.なおポジションペーパーは,本セッションにかかわる様々なテーマを広く受け付ける.


討論リーダ:岸知二 (早大), 鵜林尚靖 (九大) ,野田夏子 (芝浦工大)

T6: 運用を考慮したクラウド・サービス開発について

クラウドの仮想化技術やサービスAPIによって,システムが実行・運用されるプラットフォームやインフラを,ソフトウェアから直接制御できるようになってきている.これにより,従来,人間のシステム管理者に任せきりであったシステムの運用を,ソフトウェアの一部として作りこむことが可能になっている.
ソフトウェア工学分野でも,DevOpsや@runtime等のように,開発と運用の距離を縮め,ソフトウェア開発のリスクを軽減しようという試みは生まれてきている.しかしながら,運用時の様々なイベントや環境変化にうまく自己適応できるようにソフトウェアを構成・実装する方法は,未だ体系化されておらず,ソフトウェア工学におけるチャレンジングな課題である.
そこで本セッションでは,「運用を意識したクラウド・サービスの開発」に焦点をあて,工学的な議論を行いたい.関連するキーワードとして,例えば下記のようなものが考えられる.

・仮想化,基盤API, 自動/動的スケーリング,Measured Service,運用自動化
・Continuous Integration, Continuous Delivery,DevOps
・自己適応,環境適応,自己組織化,@runtime

なお,本セッションは,上記のキーワードにトピックを限定するものではない.従来から議論しているサービスコンピューティング,クラウドコンピューティングの発表も幅広く受け付ける.
本セッションの企画には, 電子情報通信学会・サービスコンピューティング研究専門委員会のご協力をいただいている.サービス指向・クラウドに関する研究コミュニティを形成する場としても活用いただきたい.


討論リーダ:中村匡秀(神戸大学)

T7: ソフトウェア開発データの分析:産学での課題共有と協調に向けて

ソフトウェアの品質・コスト・納期を適切に管理したいというニーズの高まりと、 近年のビッグデータへの関心の高まりもあってか、開発の過程で得られたデータに 基づいてプロジェクトの状況を即座に把握したり、プロセスの有効性を評価したり、 コストや品質を高い精度で予測したりする取り組みに産業界の関心が高まっている。 このような取り組みはこれまでも産業界で多数なされてているが、改良開発の増加、 継続的インテグレーションの実践、DevOps と呼ばれる開発と運用の緊密な連携など、 ソフトウェア開発を取り巻くトレンドの変化に応じて進化させたいというニーズがある。 一方、学術研究では、オープンソースソフトウェアや公開データを主たる対象として、 統計解析手法やデータマイニング技法を適用したり、修正履歴の追跡や開発者同士の 関係性を分析したりすることで広がりを見せている。
このようにソフトウェア開発データの分析に関わる多数の取り組みがあるなか、 「産学での課題共有と協調がなされているか」という素朴な問いがある。 個々の取り組みや課題を共有し、議論し、互いに刺激を受け、ソフトウェア開発の 新しいトレンドに対応した開発データ分析の実践と研究を進めていくことが必要であり、 そのような場をこのワークショップで設けたいと考えている。 ワークショップでは、それぞれの取り組み内容や課題認識などを短い時間で共有し、 いくつかの課題を取り上げて解決の具体的なアイデアを議論したい。 時間が許せば、データ分析の具体的なテクニックなども共有したい。


討論リーダ:野中誠(東洋大学)